ブログとフェイスブックと小説と

傘寿の齢となりましたが、ブログとフェイスブックと小説に、「青年の気概をもって取り組みたい」と思っています。私より若いあなたには、やりたいことが多々あることでしょう。苦労しつつも楽しみながら、ともに歩んで行きたいと思います。

小説も音楽も、作者が誰であろうと良いものはよい……ユーチューブで聴ける無名作曲家の交響曲

もうひとつのブログ「喜多郎をBGMにブログを書こう」に投稿した記事を、タイトルを変えてここに転載することにしました。

 

ブログ「喜多郎をBGMにブログを書こう」より転載

パソコンスピーカーから聞こえているのは、新垣 隆作曲になる「ヴァイオリンのためのソナチネ」です。PCスピーカーとはいえ音質が良いので、とても心地良く聞こえます。新垣氏が佐村河内守氏のゴーストライターにならなかったなら、この曲が世に出ることはなかったかも知れない。もしかすると、まだ知られていない天才的な作曲家や、演奏される機会を待っている名曲が、世界のあちことに存在しているのではなかろうか。

作曲家であってピアニストでもある新垣 隆氏は、「交響曲ヒロシマ」や「ヴァイオリンのためのノソナチネ」のゴーストラターとして有名になりましたが、もとをたどれば、佐村河内守氏が世間の耳目を集め、大きな話題になったことに端を発しています。

佐村河内守氏が耳の聞こえない作曲家として、現代のベートーベンともてはやされるに至ったのは、NHKのドキュメンタリー番組「魂の旋律~音を失った作曲家」で紹介されたからでしょう。
耳の聞こえない作曲家が苦難を排して成した作品として、無名作曲家による「交響曲ヒロシマ」や「ヴァイオリンのためのノソナチネ」が注目され、多くのひとに聴かれることになった。これらの曲はクラシックのCDとして異例なほどに売れましたが、その後まもなく、ほんとうの作者が新垣隆氏とわかり、CDの発売も中止されました。
  
音楽の世界もクラシックとなれば、無名の作曲家が世に出るには高いハードルがあり、作者の側に注目されるだけの話題性がなければ、作品が演奏される機会もなさそうです。小説家を目指す近道として文学賞が存在するように、作曲家の世界にも新人賞など様々な賞があるようです。小説の場合同様に、いかに才能に恵まれ、優れた作品をものにしたところで、賞を得るなどの幸運に恵まれないかぎり、作曲家としてみとめられるのは容易ではなさそうです。

小説の場合には電子出版なる手段によって、費用をかけることなく公開することもできるが(たとえ公開したところで、注目されないかぎりは読んでもらえそうにないのだが)、作曲の場合はどうでしょうか。ユーチューブなどを利用して自作の曲を公開したところで、注目されるだけの理由がなければ、どんなに優れた曲であろうと、多くの人に聴いてはもらえないでしょう。とはいえ、たまたま聴いたひとがクチコミ評価欄に感想を書き込めば、それが機縁となって聴かれるようになる、といったことは有り得るでしょう。

アマゾンのキンドル本には無名の作者による作品も多いのですが、読まれるのはミステリーやマンガであって、純文学系の小説に眼を通すひとは少ないようです。私も自作の小説をキンドル本にしていますが(注1、注2)、作者たる私は無名であって、高齢という以外に話題性もなく、なかなか読んではもらえません。原稿を読んでいただいた知人たちからは好評を得ているので、キンドル本の感想記入欄に、どなたかが感想を書いてくださらないものかと願っています。

ゴーストライター」で検索してみたら、昨年のテレビドラマ「ゴーストライター」に関する記事があり、そのあらすじが紹介されています。見なかったそのドラマに興味をおぼえ、あらすじを読んでみました。
このドラマでは、「優れた小説であろうと無名作者のものは出版できないが、ゴーストライターによる作品であろうと、著名作家の名前で出すなら出版可能であり、売れる可能性がある」とされています。

無名作者の小説であろうと、読んで良かったと思える作品は多々あるはずですが、手を出すひとは少ないようです。「貴重な時間を費やすのだから、読むに値するものしか読みたくはない。ベストセラーの小説か有名作家のもの、あるいは文学賞を得た小説であれば、読んで損をすることはあるまい」ということでしょう。とはいえ、芥川賞を得た小説を読んで不満を覚えたひとも多いと思います。芥川賞にケチをつけるつもりはありませんが、私には、読んで良かったと思える受賞作品はごくわずかです。同じような感想を抱くひとが、案外に多いのではないかという気がします。

自作の曲を公開しているひとがあるかも知れないと思い、ユーチューブで調べたところ、交響曲やピアノ協奏曲すら公開されていました。これを書きながら聴いているのは、Hitoshi Suzuki氏作曲の交響曲です。パソコンを使うDTMでの作曲と演奏とのことですが、なかなかどうして素晴らしいものです。音楽の分野にこのような世界があるとはまったく知りませんでした。このブログを読んでくださった方に、試聴されるようお奨めします。ユーチューブのサイトで「自作交響曲」を検索すれば、おもしろい交響曲や協奏曲などが出てきます。


注1 小説「防風林の松」
  アマゾンのキンドル本として公開中

注2 小説「造花の香り」
  アマゾンのキンドル本として公開中