ブログとフェイスブックと小説と

傘寿の齢となりましたが、ブログとフェイスブックと小説に、「青年の気概をもって取り組みたい」と思っています。私より若いあなたには、やりたいことが多々あることでしょう。苦労しつつも楽しみながら、ともに歩んで行きたいと思います。

ユーチューブでは無名作曲家による傑作を聴くことができる

もうひとつのブログ「喜多郎をBGMにブログを書こう」に投稿した記事を、ここに転載することにした。

 

先日の投稿記事「ゴーストライターになって運が開けた交響曲ヒロシマの作曲者」に、自作の曲をユーチューブで公開している人のことを書いた。興味を惹かれるままにさらに調べてみたら、Hitoshi Suzuki氏の他にもSmallClarinet氏や Shirokumaize氏など、幾人ものひとが交響曲や協奏曲を公開している。クラシックやタンゴにフォークソング、さらには演歌も楽しむ私には、ユーチューブに公開された交響曲や協奏曲も、チェロやピアノに関わる小曲も、モーツァルトマーラーやリスト同様に愉悦的な音楽であり、心地良く聴くことができる。

 

Hitoshi Suzuki氏のピアノコンチェルトには、次のような感想が書き込まれている。
〈冒頭はリストのピアノ協奏曲に似ているなと思いました。ロマンの香り高い情熱を秘めたピアノ・コンツェルト! ロマン派の某巨匠の隠れた名作(譜面が新しく発見された!)・・・と言われたら、ああ、なるほどそうかも・・・と思ってしまいそうな第1楽章!〉
これに対するHitoshi Suzuki氏のコメントは、「 私はロマン派のPコンチェルトが大好きでして、リスト、ショパンマクダウェルをよく聴いています。その他、バーバーのような「競奏曲」的なものも好きなのでいつかチャレンジしてみたいと思っています。」となっている。

 

 自作の協奏曲などをユーチューブで公開している人の多くは、音楽大学で作曲を学んだ人たちかも知れない。恵まれた才能と強い意欲があろうと、自作の曲を聴いてもらうには、 DTM(Desk Top Music・・・・・・パソコンを使用しての楽曲作成)に取り組み、ユーチューブに公開するしか手段がないのだろうか。それとも、音楽的な感性にすぐれ、パソコンを使える人であれば、素人であってもDTMを使って交響曲などを公開できる時代になったのだろうか。いずれにしても、それらの曲を完成し、公開するには多大な努力と労力を必要としたはず。素人ながら長編小説を書き、アマゾンの電子書籍として公開している(注)私には、分野が異なるとはいえ共感をおぼえる。

 

パソコンスピーカーからいま聞こえている「シンフォニエッタ ハ長調」なる曲は、Hitoshi Suzuki氏が高校時代に作曲したものだという。交響曲を作曲し、ユーチューブに発表するようなひとたちは、並外れた音楽の才に恵まれたうえに、DTMを使いこなす能力にも長けているのであろう。もしかすると、天才的な作曲家であってもユーチューブで公開する術を持たなければ、世間から認知されないままに終わるかも知れない。そのような人の作曲になる名曲を、ユーチューブでもよいから聴いてみたいものだが、そのためにはどんな手立てが考えられるだろうか。

 


  アマゾンの電子書籍であるキンドル本として、2編の小説を公開しています。

防風林の松
  松井滋郎は中学一年生まで落ちこぼれだったが、今は電機会社で技術者として働いている。独学で取り組んだ電気の勉強が、中学生だった滋郎に自信をもたらし、大学を経て技術者へと導く結果になったのだった。
  仕事と恋と友情に恵まれ、充実した日々を送っていた滋郎は、同僚の妹に惹かれるままに、心の迷路に迷い込んでゆく。滋郎は仕事に情熱を燃やしながらも、上司に対して反発心を募らせる。そのような滋郎が自らの未熟さを思い知らされ、退職して新たな道に進まざるを得なくなるときがくる。
  新たな道を歩んだ滋郎の現在の姿が、かつての恋人との関わりをからめて、序章と終章に描かれている。

 

造花の香り
 特攻隊に関わる小説ながら、ベストセラーになった「永遠のゼロ」とは異質な恋愛小説であり、テーマも大きく異なっている。

 東京の大学で学ぶ主人公が恋と友情に恵まれ、戦時ながらも充実した学生生活を送る様子が前半に描かれ、後半では、徴兵された主人公の海軍航空隊での生活と、訓練の合間になされる婚約者との交流、さらに、特攻隊要員に選ばれてから出撃するに至るまでが描かれる。序章と終章は戦後における後日談であり、この小説のテーマがここに集約されている。